果物アレルギー、ぶどうで出る症状と対策、注意する食物

巨峰、マスカット、デラウェアなど、秋になると店頭に並んだおいしそうなぶどうを目にする機会も増えます。そのままで食べることもでき、ジャムやお菓子、ジュースやレーズン、ワインといったものにも幅広く加工できるぶどうは、私たちの食生活になじみのある人気の果物の一つです。ここでは、ぶどうで起こるアレルギーについてみていきます。
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ぶどうアレルギーの症状

食物アレルギーには、食べてすぐに症状が出るタイプと、時間が経ってからアレルギー症状が出るタイプの二つがあります。ぶどうが原因で起こるアレルギーの場合は、食べてから時間をおかず、アレルギー症状が引き起こされる即時型反応があらわれることがあります。ぶどうを食べてから、口の中にピリピリとした刺激を感じる、喉がイガイガする感じがする、かゆくなるなどといったアレルギー症状があらわれます。その他にも、くしゃみや咳が出る、じんましんや赤みが出る、まぶたやくちびるがむくむ、吐き気、腹痛、下痢、呼吸困難といった重い症状があらわれる場合もあります。ぶどうを食べた後、運動したことによって起こったと考えられている重いアレルギー症状の例もあります。アナフィラキシー症状が引き起こされると、命の危険にもつながるため、油断はできません。
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ぶどうアレルギーの原因

私たちの体には、健康でいるために、体の外から入ってくる自分にとって害になるものを体内に入れず、体外へ排除しようとする防御の働きがあります。この防御をする免疫システムがぶどうに対しても過剰に反応することで、ぶどうのアレルギー症状が引き起こされます。

果物アレルギーの原因

免疫システムが反応する果物アレルギーの原因(アレルゲン)となるものには、以下のようなものがあります。

Betv1は、生体防御たんぱく質の10群(PR-10)です。生命維持に必要なたんぱく質で、多くの植物の果肉にも果皮にもあります。バラ科の果物以外に、キウイフルーツなどにも含まれています。熱に弱いので、生で食べた時は症状が出ますが、加熱すると症状が出なくなります。

プロフィリンは、アクチン結合性たんぱく質です。花粉、果実、葉、根といった部分にあります。バラ科以外の果物ではキウイフルーツ、オレンジ、ライチ、メロン、バナナなどにも含まれています。こちらも熱に弱いので、生で食べた時は症状がでますが、加熱したジャムなどでは症状が出ません。

LTPは、生体防御蛋白の14群(PR-14)です。果皮に分布し、バラ科だけでなく、ぶどう、キウイフルーツ、バナナなどにも含まれています。熱や酵素処理などでも変化しにくいので、LTPのアレルギーでは加工食品や缶詰でも症状がでることがあります。

GRPは、LTPと分子が近く特性も似ています。LTPと違って果肉にも果皮にも分布しています。ももなどに含まれています。熱や酵素処理でも変化しにくく加工食品や缶詰でも症状がでることがあります。

ぶどうアレルギーの対策方法

口や喉にかゆみや痛み、腫れといった変化を感じたら、ぶどうが口の中にあれば吐き出し、うがいや手洗いをします。病院を受診し、血液や皮膚などで分かるアレルギー検査を受けると、何に対してアレルギーがあるかが分かります。

ぶどうアレルギーと花粉症との関係

果物で起こるアレルギーの多くは、花粉症と関係があることが分かっています。これは、花粉症の原因となっている花粉に対して作られた抗体が、それと似たたんぱく質をもつ、果物や野菜にも反応するためです。ぶどうアレルギーの人には、りんご、いちご、さくらんぼ、ももといったバラ科の果物でもアレルギー症状が起こる可能性があるといわれています。バラ科の果物アレルギーは、シラカバやハンノキなどの花粉が原因となる花粉症の人に発症しやすい傾向があります。

ぶどうアレルギーの人がアレルギーを起こす可能性のある食べ物

ぶどうアレルギーの症状がある人は、ぶどうそのものや、ぶどうジュース、レーズン、ワインなどといった、ぶどうを使った加工品にも気を付ける必要があります。その他、以下の果物や野菜などでもアレルギー症状があらわれる可能性があります。

バラ科(リンゴ・桃・サクランボ・西洋梨・アンズ・スモモ・アーモンド)

マタタビ科(キウイフルーツ)

ウルシ科(マンゴー)

マメ科(大豆・ピーナッツ)

カバノキ科(ヘーゼルナッツ)

ナス科(ジャガイモ)

セリ科(ニンジン・セロリ)

シシトウガラシなど
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果物やその他の食物アレルギーの検査

ぶどうをはじめとした食物アレルギーの疑いがある場合は、アレルギー専門医のもとで正確な診断を行ってもらうと安心です。自己判断で食物除去を行うと、必要な栄養素が摂れなくなってしまう場合もあります。アレルギー専門医に診断を行ってもらうと、血液検査の結果が陽性であっても、食物アレルギーという診断にならないこともあります。これは、実際に食べた時の症状と血液検査などの結果が必ずしも一致しないためです。食物アレルギーの検査には、以下のようなものがあります。

・血液検査

採血をして、血中にアレルギーを起こすIgE抗体がどのくらいあるか調べます。

・プリックテスト

皮膚の上にアレルギーの原因となるエキスを含んだ試薬を置き、検査用の針を押し当てて少し時間をおき、その反応をみます。

・食物経口負荷試験

食物を実際に食べてアレルギー症状が出るか反応をみます。症状が出ても対応できるよう、専門医の管理のもとで行います。

仮性アレルゲン

食ベ物自体に含まれている物質によって、かゆみや発疹などといった食物アレルギーの症状と似た症状を引き起こすことがあり、このようなものを仮性アレルゲンといいます。原因となる物質には、ヒスタミン、セロトニンなどがあります。ぶどうからつくられるワインには、症状を引き起こす原因物質の一つであるヒスタミンなどが多く含まれています。

ぶどうのアレルギーには体調も影響する

アレルギー症状は、体調にも左右されるため、疲れや寝不足の時には症状が悪化しやすくなる場合があります。そのため、日ごろから十分な睡眠をとり、疲れをためないよう適度な休みをとることも大切です。また、食事の栄養面にも配慮し、体によい食事をとる、あるいは食品添加物や酸化した油を極力摂らないようにするといった日々の心がけや体調管理も大切です。

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