果物はそのままで食べられるものもありますが、皮をむいたり、食べやすい大きさに実を切って食べる果物も多くあります。専用の道具は使い勝手もよく、調理もより楽しくなるものです。こちらでは、果物を切る時に便利な果物ナイフとはどのようなものか、包丁の種類の違いや選び方、とぎ方、気を付ける法律などについてまとめました。
果物ナイフとは
果物の皮をむいたり、実を切ったりするためのナイフを果物ナイフといいます。両刃で刃渡りは約8~9cmほどです。小刀はペティナイフやパーリングナイフとも呼ばれます。果物や野菜の皮をむいたり、飾り切りをする時に適しています。日本の家庭で一般的に使われている三徳包丁に並んで人気がある包丁だといわれています。小刀は両派で刃渡りは約8~15cmほどです。
果物ナイフとペティナイフの違い
果物ナイフとペティナイフは、刃の厚みや形に多少違いがあるものの、大きな違いはありません。果物ナイフは刃先が分厚く、出刃包丁が小さくなったような形です。それと比較するとペティナイフの方が華奢で牛刀を小さくしたような形をしています。果物ナイフの方が刃に厚みがあるので、包丁さばきが安定し、リンゴなど手のひらサイズの果物の皮をむくなどといった場面で使いやすいといわれることもあります。一方のペティナイフは、刃が薄く、切っ先が鋭くなっているため、果物や野菜の皮をむく他に、芯をくり抜く、飾り切りをするなどといった細かな作業に適しています。刃渡りが8cmほどの短いペティナイフは、果物や野菜の皮をむく果物ナイフとしての用途で使いやすくなります。
果物ナイフとしても使うペティナイフの用途とサイズ
洋包丁の中でも小さいペティナイフは、手におさまるサイズ感が特徴です。その中でも刃渡りに幅があり、短いペティナイフは食卓で、長いものは調理に向いています。刃渡りが10~12cmほどのものは、香味野菜を刻む、果物やパンを切り分けるといった用途で使いやすくなります。刃渡りが15cmほどのペティナイフになると、薄切り肉や鶏肉、あるいは魚のさくを切るといった使い方ができます。刃がギザギザの波刃になったタイプはトマトのカットやスイーツを切り分ける、パンをカットするといった用途に向いています。
ペティナイフのメリットとデメリット
メリット
・細かな作業がしやすい
・キッチンが狭い時にも使いやすい
・サイズも小さく、重さも軽いため、女性や手が小さい人にも扱いやすい
デメリット
・かたまり肉や1玉まるごとのキャベツなどの調理がしづらい
・大きな魚をさばきにくい
家庭で一般的によく使われる三徳包丁は、刃渡り18cmほどのものがほとんどです。それに比べ、小さいという意味のペティを名前にもつペティナイフは、15cm以下となっています。果物ナイフとしての用途をはじめ、細かな作業で実力を発揮するペティナイフですが、その一方で大きな素材を切ることには向いていません。小さめの調理用包丁として、家庭でよく使われる三徳包丁と合わせて使うことで、それぞれの食材が切りやすく、調理がスムーズになります。料理の幅も広がります。
果物ナイフとしても使われるペティナイフの選び方
・手の大きさに合ったサイズのものを選ぶ
男性なら13.5~15cm程度の刃渡りのもの、女性であれば13.5cm以下の刃渡りのものが扱いやすいといわれています。
・用途に合ったサイズのものを選ぶ
果物や野菜の皮をむく果物ナイフとしての用途であれば8cm程度の刃渡りのもの、果物やパンをカットする、あるいは香味野菜を刻むといった用途なら10cm~12cm程度の刃渡りのもの、肉や魚を切るなら15cm程度の刃渡りのものを選ぶと使いやすいです。
・用途に合った形のものを選ぶ
トマトやパンをカットする、スイーツを切り分けるといった用途であれば、刃がギザギザの波刃になったものが向いています。
・重さが好みに合ったものを選ぶ
ペティナイフでは、100g以下の重さのものが扱いやすいといわれています。80g以下だと軽く、90g以上だと重く感じる人が多いそうです。
・ハンドルが持ちやすいものを選ぶ
ハンドルは、丸や四角形、八角形などさまざまな形の包丁があります。好みに合った、持った時に持ちやすくしっくり手に馴染むものを選びます。
果物ナイフなど包丁のとぎ方
1、流し台などの上に濡れ布巾などを敷き、その上に水で濡らした砥石を置きます。
2、包丁を砥石に対して45度の角度に置きます。包丁の切れない、刃とは反対の背の部分を4~5mmほど少し浮かせた状態で、刃の部分に指を添えます。
3、前後に動かしながら包丁をとぐ。といでいくと、刃先に金属がめくれたようなカエリと呼ばれる部分ができたら、持ち手に近い部分から切っ先まで場所をずらしながらといでいきます。作業中に出てくる砥石と金属の粉は水でこまめに流します。
4、片面が終わったら、反対の面も同様にといでいきます。
5、最後に、砥石に付属されている木台に刃を当てながら軽く引き、両面のカエリを取り去り、めくれた部分がスムーズになれば、包丁を水洗いした後、水分を拭き取ったら完了です。
5のカエリを取る作業は、丸めた新聞紙を何度か切ることでも取ることができます。
果物ナイフの持ち歩きについて
包丁やナイフといった刃物は、私たちが毎日の生活を営む上で、欠かすことのできない道具です。しかし、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第22条で、刃体の長さが6cmを超える刃物については、業務その他正当な理由なく自宅または居室以外の場所に携帯することは禁止されています。業務とは、調理師が仕事場に行くため包丁をバッグに入れて持ち歩いたなど、反復継続して刃物を使用することがその人にとって仕事であり、刃物を使うことが業務にあたる場合をいうと解されています。正当な理由とは、社会通念上正当な理由が存在する場合で、例えば護身用に持ち歩くといったものは、正当な理由にはあたりません。
刃体の長さが6cmを超えていない場合も注意が必要
一方で、軽犯罪法第1条2号では、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処する」とされています。これにより、刃体の長さが6cmを超えていないなど銃刀法に該当しないものであっても、取り締まりの対象となってしまうことがあるので注意が必要です。