キウイフルーツの特徴や品種、栄養及び効能などについて

キウイフルーツは、美味しいだけでなく、とても栄養豊富なフルーツです。ビタミンCはもちろん、食物繊維、カリウムなど、その他の栄養素も含めて測定した「栄養素充足率(栄養素密度とも言います)スコア」は、主要フルーツの中でもトップレベルです。ここでは、そんなキウイフルーツの特徴や品種、選び方、効能などについて解説します。

キウイフルーツとは

キウイフルーツはマタタビ科マタタビ属の落葉蔓性植物の果実です。雄木と雌木が別であるため(雄雌異化株といいます)、実が生(な)るためには雌木と雄木の二本の木が必要であるという特徴があります。原産は中国の揚子江沿岸とされますが、1904年、旅行者の手によりキウイフルーツの種が中国からニュージーランドへと伝わり、ひろく栽培されるようになりました。その後、年月を経て品種改良を重ね、現在のキウイフルーツとなりました。キウイフルーツはニュージーランドの国鳥であるキウイ(KIWI)に姿が似ていたことから、その名がつけられました。日本にキウイフルーツが広まったのは1960年代と新しく、その後、日本国内でも栽培されるようになりました。

キウイの品種

キウイフルーツと言えば、実がグリーン色のものがポピュラーですが、他にも黄色(ゴールド)や、紅色のものもあります。それぞれ、果皮や味にも違いがありますので、紹介します。

ヘイワード(Hayward)

わたしたちが一般的にキウイフルーツと言うときには、ヘイワードのことを指します。それほど日本ではポピュラーであり、流通量も多い品種で、スーパーの果物売り場でもよく目にすることができます。ヘイワードはグリーンキウイとも呼ばれ、その名が示すとおり、きれいな緑色の果肉が特徴です。果皮は産毛で覆われており、楕円形をしています。しっかりとした酸味と爽やかな甘みが特徴で、生食の他に、ケーキの材料などに用いられることも多いです。

ゴールドキウイ

ゴールドキウイとは、主にニュージーランドのゼスプリ社が開発したゼスプリ・ゴールドという品種のことを指します。果肉は黄色く、強い甘味とジューシーさが特徴で、酸味が少ないため、酸っぱいのが苦手な人でも食べやすくなっています。果皮の表面は、ヘイワードに比べ産毛が薄く、形は俵型をしています。ゴールドキウイは他のフルーツに比べ保存性にすぐれているため、日持ちがするのも特徴のひとつです。

アップルキウイ

アップルキウイ(品種名は、かい蜜)は、その名が示すとおり小ぶりなりんごのような形をしています。流通量が少ないため、なかなか目にする機会の少ない品種ですが、ヘイワードに比べて酸味が控えめで、甘くジューシーな食べやすいキウイです。熟するにつれて果肉の色が黄色に変わっていきます。熟しているかを調べる方法は、果皮の表面を少し指で押してみて、へこみがゆっくりと戻ってくる程度が食べ頃です。主な生産地は静岡県で、出荷時期は10月中旬以降~12月下旬頃となっています。

レインボーレッドキウイ

レインボーレッドキウイは、果肉の中心部(種がある部分)が赤色なのが特徴のキウイです。大きさは小ぶりで果皮に産毛は無く、味は甘味が強く酸味は控えめです。静岡県の「有限会社コバヤシ」により開発された品種です。収穫時期は、9月下旬から10月上旬頃までとなっています。

ベビーキウイ

ベビーキウイは、ミニキウイとも呼ばれる、マタタビ科のサルナシという蔓性植物の果実です。特徴はなんと言ってもその小ささで、2~3cmと指でつまめる程の大きさです。果皮はとても薄いため、そのまま食べることもできますが、ぶどうのように果肉だけ食べても甘くて美味しいです。国内に流通しているもののほとんどは、チリや、アメリカから輸入されたもので、日本国内では栽培はされていないようです。

おいしいキウイの見分け方

・実がつまっていて重みがあるもの
・果皮がキレイでいたみの無いもの
・食べごろは少し弾力のあるもの(ただし柔らかすぎないもの)
を選ぶと良いでしょう。

キウイの保存方法

弾力のあるものは、熟していますので、できるだけ早く食べた方が良いでしょう。それでも保存する場合は、乾燥を防ぐためビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存します。固いものは、追熟させるため、ビニール袋などに入れて室内保存しておきます。

キウイに含まれる栄養素

キウイフルーツは、栄養素充足率が数ある果物の中でもトップクラスです。つまり、キウイフルーツの小さい果実には、たくさんの栄養素がギッシリと詰まっているのです。ここでは、キウイに含まれる栄養素とその効能を紹介します。

ビタミンC

キウイフルーツ1個に含まれているビタミンCは、なんとレモン8個分以上です。ビタミンCには抗酸化作用によるアンチエイジング作用、美肌作用や免疫機能の維持、疲労軽減作用、風邪の予防など、多くの効能があるとされています。

カリウム

キウイフルーツのカリウム含有量は果物の中でもトップクラスです。カリウムには腎臓でナトリウムが再吸収するのを抑制する働きがあるため、血圧を下げる効能があります。

葉酸

葉酸はビタミンB群のひとつで、妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の正常な発育を妨げるリスクが高くなることがわかっています。厚生労働省から、妊娠を計画している女性に対して、葉酸を摂る事が推奨されています。その他にも葉酸には貧血予防や動脈硬化の予防などの効能もあるとされています。

食物繊維

キウイフルーツには食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を整えてくれる働きが期待できます。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、便秘解消や腸内環境改善のためにはどちらも必要なのですが、キウイフルーツには、両方の食物繊維が含まれています。また、キウイにはちみつやヨーグルトをかけて食べることにより、食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌などが一緒に摂れ、より一層、腸内環境改善効果が期待できます。

アクチニジン

アクチニジンは、キウイフルーツ特有の栄養素で、たんぱく質の分解を促進する作用があります。このため、肉や魚と一緒に摂ることにより、たんぱく質を効率よく吸収することが期待できます。また、かたい肉を、つぶしたキウイにつけておけば、やわらかくなるという効果もあります。