ぶどうの種類や選び方、保存方法、栄養及び効能などについて

ぶどう(葡萄)は、私たちにとても身近なフルーツの一つであり、生食だけでなくジュース、ワインなどの原料としてひろく親しまれています。また、収穫期には多くの農園で、ぶどう狩りなどを楽しむこともできます。ここでは、そんなぶどうについて、特徴や種類、産地、選び方、保存方法、栄養や効能などについて解説します。

ぶどうとは

ぶどう(葡萄)の歴史は古く、古代エジプト(紀元前3000年頃)の壁画にもぶどう栽培の様子が描かれています。日本では、奈良時代に中国から伝わり、鎌倉時代になると本格的な栽培が始まりました。
そんなぶどうですが、全世界でおよそ1万種類以上もの品種が存在すると言われています。日本では、ポピュラーな「デラウェア」、「巨峰」、「ピオーネ」などをはじめ50~60種類のぶどうが流通しており、それらのぶどうを大別すると、果皮の色の違いにより「黒ぶどう系」、「赤ぶどう系」、「白(緑)ぶどう系」の3つに分類することができます。

ぶどうの品種

では、ここで主なぶどうの品種と特徴について解説します。

デラウェア

デラウェアは明治時代初期にアメリカから日本へと入ってきました。価格が手ごろなこともあり、昔から日本人になじみ深い品種と言えるでしょう。粒は小ぶりで黒色(濃紫)、種はありません。甘くてとても食べやすいポピュラーなぶどうです。ハウス栽培のものは4月下旬頃から出荷されます。デラウェアの主な産地は、生産量順に、山形県(37%)、山梨県(23%)、大阪府(13%)となっています。

巨峰(きょほう)

巨峰は、粒が大きく、果皮は黒色(濃紫)で、甘味、風味がとてもよい人気の高いぶどうです。巨峰は、石原早生(いしはらわせ)という品種と、センテニアルという品種を交配して昭和20年に発表されました。巨峰の正式名称は「石原センテニアル」と言い、巨峰という商品名は、富士山の雄大な姿が由来であるということです。巨峰にはもともと種がありましたが、近年ではジベレリン(植物ホルモン)処理によって種なしのものが主流となっています。巨峰の主な産地は、生産量順に、山梨県(27%)、長野県(26%)、福岡県(10%)となっています。

ピオーネ

ピオーネは、「巨峰」と「カノンホール・マスカット」を交配して昭和48年に発表された品種です。果皮は黒色(濃紫)で、粒は巨峰よりもさらに大きめで、食べごたえがあります。爽やかな香りで風味が良く、強い甘みと適度な酸味が特徴で巨峰とともに人気の高い品種です。ピオーネには種ありのものと種なしのものがあり、ジベレリン(植物ホルモン)処理により種なしに育てたものは、「ニューピオーネ」と呼ばれています。ピオーネという名にはイタリア語で「開拓者」という意味があります。ピオーネの主な産地は、生産量順に、岡山県(39%)、山梨県(21%)、香川県、長野県、広島県(各4~5%)となっています。

シャインマスカット

シャインマスカットは、「安芸津21号」と「白南」を交配して平成18年に登録された品種です。粒は大きく(巨峰と同じくらい)、果皮はあざやかな黄緑色で、マスカット特有の香りと圧倒的な甘みが特徴です。また、果皮は薄く、種もないためそのまま食べることもできます。シャインマスカットの主な産地は、生産量順に、山梨県(28%)、長野県(26%)岡山県(12%)、山形県(11%)となっています。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

一般的に「マスカット」と言えば、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」のことを指します。マスカット・オブ・アレキサンドリアは「果物の女王」と呼ばれており、その上品な見た目・風味ゆえに、高級ぶどうの代名詞となっています。エジプトのアレキサンドリア港がその名の由来で、原産は北アフリカとされ、紀元前から栽培されている古い品種です。

果粒は楕円気味で大きく、色は美しいエメラルドグリーン、マスカット特有の豊かな香りと、品のある甘味・酸味が特徴となっています。マスカット・オブ・アレキサンドリアは生食の他に、ワインの原料として用いられます。主な産地は、岡山県で、国内生産量の実に98%を占めています。

ルビーロマン

ルビーロマンは、「石川県農業総合研究センター砂丘地農業研究センター」が藤稔(ふじみのり)という大粒ぶどうをもとに、長い歳月をかけて育成したオリジナルの品種です。巨峰の約2倍にもなる粒の大きさと、鮮やかなルビーのような紅色、強い甘みと豊かな風味が特徴のぶどうです。ルビーロマンの名は、公募総数639通の中から選ばれました。ルビーロマンは、石川県でしか栽培されておらず、その希少性、品質の高さなどから取扱店が高級果物店などに限られており、プレミアムぶどうとして主に贈答用などに用いられています。

おいしいぶどうの見分け方

・色づきが良く濃いもの
・実がつまっていて果皮の表面に張りがあるもの
・果皮にブルームと呼ばれる白い粉がついているもの
・枝(軸)が緑色のもので、切り口が新鮮なもの
・実が房にしっかりとついているもの(鮮度が悪いものは、実が簡単に房から落ちてしまいます。)
を選ぶと良いでしょう。

ぶどうの保存方法

房のままで保存する場合は、紙袋やラップで包むなどして、冷暗所、もしくは冷蔵庫の野菜室で保存します。この際の注意点ですが、ぶどうを水で洗うと、いたみが早くなってしまいますので、水では洗わずにそのまま保存します。

一粒ごとに保存する場合には、決してぶどうの実を手で引きちぎらずに、ハサミなどで、枝を数ミリ程度実に残した状態で切り離します。手で実を引きちぎると、果皮に穴があいてしまい、その部分から水分が漏れ、いたみが早くなるからです。切り取った実は、密封袋などに入れて保存します。また、その状態で冷凍庫で冷凍保存することも可能です。

(ぶどうは、どちらかと言うと日持ちしない果物ですので基本的にはなるべく早く食べるようにします。)

ぶどうに含まれる栄養素や効能とは

ぶどうの果皮には、アントシアニンなどのポリフェノールが豊富に含まれています。アントシアニンには、眼精疲労や目の病気の改善効果が期待でき、また、その抗酸化作用により、生活習慣病の予防にも良い効能があるとされています。その他、ぶどう糖による疲労回復効果、ビタミンC、ビタミンB群による抗酸化作用、美肌効果、糖質や脂質の代謝促進効果などが期待できます。