果物アレルギーの症状、食物アレルギーの5つのタイプと症状

アレルギー症状に悩まされる人が増え、大きな社会問題となっています。その原因は様々で、私たちの食生活を豊かにしてくれる果物も、時にはアレルギー症状を引き起こすことがあります。ここでは、果物や野菜で起こるアレルギーの症状や、果物で起こるアレルギーも含まれる食物アレルギーの代表的な5つのタイプと症状などについてまとめました。

果物で起こるアレルギーの症状

果物で起こるアレルギーでは、特定の果物や野菜を食べた直後から数分後に、くちびるや口の中がかゆくなる、くちびるが腫れる、喉がイガイガする、喉が痛むなどの症状があらわれます。果物で起こるアレルギーの症状は口のまわりで起こることが多く、このようなものを「口腔アレルギー症候群」といいます。子どもにも大人にも発症の可能性があります。また、花粉症の人に果物アレルギーの症状があらわれることが多くなっています。これは花粉症の原因となっている花粉と似たたんぱく質をもつ果物や野菜に対してもアレルギー反応を起こすためで、このようなものは「花粉ー食物アレルギー症候群」と呼ばれています。以前は大人が多かった花粉症も低年齢化が進み、3歳で花粉症を発症し、5歳で果物アレルギーを起こすというケースも出ています。子どもの場合は、まだうまく症状を言葉にして説明することが難しいため、周囲の大人が注意深く見守る必要があります。花粉症の原因となっている花粉の種類によって、果物アレルギーを起こす可能性のある果物や野菜は違ってきます。果物アレルギーの症状は口のまわりの症状にとどまることの多いのですが、これは、アレルギーの原因となっているたんぱく質が消化酵素に弱く、消化器で分解されやすいためです。しかし、目や鼻にまで症状があらわれたり、時には呼吸困難やアナフィラキシーショックなど、命に関わるような重い症状があらわれることもあるので油断は禁物です。

アナフィラキシーとは

原因となる食物を食べた後、体の複数の部位に様々な症状がほぼ同時にあらわれる反応のことをアナフィラキシーといいます。血圧低下や意識がない、失禁があるなど、命をおびやかす危険な状態をアナフィラキシーショックといいます。

食物アレルギーのタイプ

果物アレルギーも含まれる食物アレルギーには、症状などの特徴から、代表的な5つのタイプがあります。

・新生児・乳児消化管アレルギー

・食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

・即時型症状(じんましん、アナフィラキシーなど)

・特殊型、食物依存性運動誘発アナフィラキシー

・特殊型、口腔アレルギー症候群

食物アレルギーで最も多いのが、食べてから時間をおかず、すぐに症状が出る即時型です。これは、乳児から大人まで幅広い世代で見られます。症状は、じんましんなどの皮膚症状が約9割、更に粘膜・呼吸器・消化器と広範囲で症状が重複して起こります。疲れや寝不足の時には症状が悪化するなど、健康状態にも左右されるので、日頃から体調を整えておくことも大切です。

乳児期に発症した食物アレルギーは、成長とともに治ることも多くあります。鶏卵・牛乳・小麦・大豆といった食物が原因となっている食物アレルギーは比較的治りやすく、甲殻類や蕎麦などが原因の場合は治りにくい傾向にあります。

果物アレルギーも含まれる、食物アレルギーの症状

新生児・乳児消化管アレルギー

新生児から乳児期に発症します。症状は、嘔吐・下痢・お腹の張り・血便などの消化器症状です。他の多くの食物アレルギーとは違い、原因となる食物を摂ってから症状があらわれるまでに時間がかかりますが、その多くは24時間以内には症状があらわれます。原因となるのは、主に人工の育児用ミルクですが、母乳でも起こることがあります。2歳頃までにはその多くが治るといわれています。

食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

乳児期の食物アレルギーの症状として最も多いタイプです。乳児の頭や顔に赤みやかゆみをともなう湿疹があらわれます。乳児アトピー性皮膚炎の症状が出やすい体の部位は、頭・目のまわり・耳の付け根・頬・口のまわり・首・ひじの内側・胸・腹・背中・ひざの内側などです。肌の柔らかい部分や汗をかきやすい部分に症状が出やすくなっています。なかなか治らない湿疹の全てが乳児アトピー性皮膚炎というわけではありません。専門医の慎重な判断が必要です。

即時型症状(じんましん・アナフィラキシーなど)

即時型では、原因となる食物を食べた直後から2時間以内にアレルギー症状があらわれます。乳幼児から大人まで幅広い年代で起こります。最も多いのは、じんましんや赤みやかゆみをともなった皮膚症状です。他にも、くしゃみや咳、呼吸困難といった呼吸器症状、まぶたや唇のむくみ、目の充血といった粘膜症状、吐き気や腹痛、下痢といった消化器症状と、人によって様々な症状があらわれます。原因となる食物は、年代によって異なります。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

原因となる食物を食べた後、数時間以内に運動することで、アレルギー症状が誘発される食物アレルギーです。食物を食べただけ、運動をしただけではアレルギー症状は起こりません。症状は咳・じんましん・呼吸困難などです。重症化すると意識を失うなど、アナフィラキシー症状を起こす場合もあります。原因となる食物は、小麦と甲殻類が多くなっています。小学生から高校生に多くみられます。

口腔アレルギー症候群

原因となる食物を食べた後、口腔内にかゆみや腫れなどの症状があらわれます。主に果物や野菜で起こります。

果物も含む食物アレルギーの症状を悪化させるその他の原因

アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症などの人は、アレルギー症状が出た時、その部位の症状が強く出たり悪化することがあります。アトピー性皮膚炎では、食物アレルギーによって、更にかゆみや湿疹の症状が強く出ます。ぜんそくでは、息苦しさを感じたり、ぜんそくの発作が重症化することもあります。花粉症の人は果物アレルギーを発症しやすいことが分かっています。寝不足や疲れなど体力が落ちている時に果物アレルギーも含む、食物アレルギーの症状が悪化することもあります。

アレルギー症状が次々変わっていくアレルギーマーチ

乳幼児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、幼児になるとぜんそく、就学する頃にはアレルギー性鼻炎や花粉症というように、年齢によって発症するアレルギー疾患は変化していくことが分かっています。このように、成長時期によって、次々と異なるアレルギー疾患にかかることをアレルギーマーチといいます。しかし、一方で成長とともに治っていくアレルギー疾患もあります。