日本の果物の種類-日本から世界に広まった果物とは

イチゴ、オレンジ、りんご、メロン、ぶどう、スイカ、桃などのよく知られた果物だけでなく、キワノ、スターフルーツ、ドラゴンフルーツ、ドリアンなど、普段目にする機会の少ない果物まで、世界には、おびただしい種類の果物が存在しています。しかし、意外と知られていないのが、日本原産、および日本で生まれた果物です。今回は、日本の果物について、解説してみます。

日本原産だと考えられる果物とは

日本原産とはつまり、日本で最初に産出したという意味です。例えば桃などは、中国西北部の高山地帯が原産地であり、世界へ広まっていったわけですが、それでは逆に日本から世界へと広まっていった果物にはどんなものがあるのでしょうか。そもそもそんな果物があるのかということですが、柿、みかん、和梨、すももなどが日本原産、または日本で生まれた果物だと考えられています。言われてみれば、これらの果物は、いかにも日本的なイメージがあるかもしれませんね。

日本の果物、柿

柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺
―誰もが知る、正岡子規の名句ですが、いかにも日本的風情が感じられる句です。その理由のひとつとして、「柿」という果物の存在は無視できません。

柿は、日本から世界に広まり、「KAKI」として知られている、数少ない日本原産と考えられている果物のひとつです。正式な学名においても「Diospyros kaki」となっています。柿は、16世紀後半、日本からポルトガルを通じてヨーロッパへと伝わり、学名にも日本名の「柿-KAKI」がつけられています。原産地に関しては、日本の他に中国であるという説などありますが、少なくとも、ヨーロッパへ広まった「KAKI」は日本の柿であることは間違いありません。

果物としての柿について記されている日本の文献で最も古いものには、「本草和名(ほんぞうわみょう…日本最古の薬物事典)918年」や「延喜式(えんぎしき…平安時代の法令集)927年」があります。また、奈良時代のものとされる木簡には、柿や干し柿についての記載があることから、奈良時代にすでに柿が食べられていたということになります。こうしたことからも日本を代表する果物のひとつであると言えるでしょう。

現在日本では多くの品種の柿が生産されていますが、中でも完全甘柿の「富有(ふゆう)」が最も多く、次いで多いのが種なし柿の「平核無(ひらたねなし)」となっています。また、平たくて四角い形をした完全甘柿の「次郎」もスーパーなどでよくみかけます。

柿の主な栄養分は、ビタミンC、βカロテン、カリウムなどで、中でもビタミンCは、他の果物と比較しても多く含まれています。そのため柿を食べることにより、風邪予防や、高血圧などの生活習慣病の予防、アンチエイジングなどの効果が期待できます。

日本の果物、温州みかん

みかん(蜜柑)という名称は室町時代にはすでに使われていたようで、その由来は「蜜のように甘い柑橘(かんきつ)」であることからつけられたようです。温州(うんしゅう)みかんは、現在日本でよく食べられているポピュラーなみかんのことで、日本(鹿児島県)生まれとされています。スーパーなどでは、愛媛産の「愛媛みかん」や和歌山産の「有田みかん」などをよくみかけますが、これらは違う品種というわけではなく、すべて温州みかんです。

温州みかんは、出荷の時期によって早い順に極早生(ごくわせ)温州、早生(わせ)温州、中生(なかて)温州、晩生(おくて)温州に分けることができ、さらにそれぞれに多くの品種があります。極早生温州の出荷時期は9月から10月頃で、酸味がやや強いのが特徴です。品種は、「上野早生」「ゆら早生」「日南1号」などがあります。早生温州の出荷時期は10月下旬から12月頃で、甘味と酸味のバランスが良いのが特徴です。品種は、「宮川早生」「興津早生」「原口早生」などがあります。中生温州の出荷時期は11月下旬から12月下旬頃で、甘味が強く酸味が少なめなのが特徴です。品種は、「南柑20号」「南柑4号」「向山温州」などがあります。晩生温州の出荷時期は12月下旬から3月頃で、コクのある甘さが特徴です。品種は、「青島温州」「十万温州」などがあります。

みかんには、強い抗酸化作用のあるβクリプトキサンチンや抗菌作用のあるβカロテン、免疫力をアップするビタミンCなどの栄養素が含まれています。

日本の果物、和梨

梨には、和梨(わなし)、中国梨、洋梨の3種類があり、日本で一般的に食べられている梨は、和梨です。梨は、弥生時代にはすでに食べられていたようで、また、奈良時代の歴史書である日本書紀には、梨の栽培を奨励する記述があります。現在私たちが食べている甘く柔らかい梨は、栽培技術が発達した江戸時代以降に生まれたものです。

梨の主な産地は、千葉県や茨木県、栃木県で、主な品種は、幸水、豊水、二十世紀などとなっています。幸水は褐色あるいは黄緑色で、果肉がやわらかくシャリシャリ感があり、ジューシーで甘味が強く、豊水は幸水よりも若干大きく、果汁がしたたり落ちるほどジューシーで、甘味と適度な酸味が特徴です。その他にも新高(にいたか)、秋月(あきづき)、南水(なんすい)、愛宕(あたご)、新水、などの品種があります。

梨には、のどの消炎などに効果があるソルビトールという糖アルコール成分や、疲労回復効果のあるアスパラギン酸という成分などが含まれています。また、プロテアーゼというたんぱく質分解酵素が含まれているため、すりおろした梨に安いお肉をつけておくと、柔らかくなるという効果があります。

日本の果物、すもも(プラム)

スモモも桃も桃のうち、という早口言葉がありますが、すももは桃ではありません。「すもも」という名は、果実が桃に比べて酸味が強いことからつけられたということです。すももには、日本すももと西洋すももがありますが、単に「すもも」と言うときには、日本すもものことを指します。西洋すももは、プルーンと呼ばれる方が一般的です。

古事記や日本書紀にもすももに関する記述が見られるほど、古くから日本にあった果樹であるすももですが、現在日本国内で流通しているすももは、日本からアメリカに渡った後にアメリカで品種改良され、ふたたび逆輸入のかたちで日本に戻ってきたものが元となっています。

すももには、大石早生、ソルダム、貴陽、太陽などの品種があり、主な生産地は、収穫量順に、山梨県、長野県、和歌山県、となっています。