果物の英語での呼び方や、果物を使った言い回しについて

果物の英語での呼び方は、ストロベリーや、パイナップルなど、カタカナ英語として浸透しているものも多くあります。しかし、その語源や由来についてご存知でしょうか。ここでは、果物の英語名の由来や、果物の名前を使った英語での言い回しや慣用句についてまとめてみました。

りんご(Apple)を使った英語の慣用句

りんごの英語での呼び方は、ご存じのとおり、apple(アップル、またはアッポー)です。アップルはカタカナ英語ですので、実際の発音は、アッポーの方が近いでしょう。

りんごを使った英語での言い回しですが、よく知られているのが、「An apple a day keeps the doctors away. 」というもので、「一日一個のりんごは、医者を遠ざける。」という意味です。つまり、それだけりんごは健康効果の高い果物である、ということなんですね。実際りんごには、腸内環境を整えて便秘を解消したり、抗酸化作用により、生活習慣病の予防や、アンチエイジングなどの効果が期待できます。

いちご(Strawberry)の語源や英語の慣用句

いちごの英語での呼び名は、strawberry(ストロベリー)です。strawberryは、「straw」と「berry」の部分に分けることができます。ストロベリーの「straw」は、藁(わら)の意味ではなく、「straw」の古語である「strew」からきているようです。「strew」は「一面を覆う」という意味で、いちごが地面を覆うように生(な)っている様子からつけられ、「berry」は「小さな果実」という意味ですので、strawberryは「地面を覆うように生る小さな果実」と訳すことができます。

ストロベリーを使った慣用句では、「ストロベリーショップ(strawberry + shop)」というものがあり、「婦人服などで小サイズの商品のみを販売するお店」という意味があります。

みかん(Mandarin orange)の語源や英語の慣用句

みかんの英語での呼び方はご存知でしょうか。多くの方は「orange(オレンジ)」と思っているかもしれません。しかしオレンジは、日本の温州みかんとは種類が違います。日本のいわゆるみかんは、英語では「mandarin orange(マンダリンオレンジ)」と呼びます。

もともとみかんは、中国から日本へと渡ってきました。マンダリンとは「中国の清朝時代の役人」の意味です。ではなぜみかんがマンダリンオレンジと呼ばれるようになったのかということですが、清朝時代に当時の役人が来ていた服の色がみかんの色に似ていたため、それを見た西洋人がみかんのことをマンダリン(役人)オレンジ、と呼ぶようになったということです。

ここでは、orangeを使った「squeeze an orange」という慣用句を紹介します。squeeze(スクィーズ)とは「絞る」という意味で、squeeze an orangeで「甘い汁を吸う(他人を利用して不当な利益を得ること)」という意味になります。

さくらんぼ(Cherry)の語源や英語の慣用句

さくらんぼの英語での呼び名は、cherry(チェリー)です。(ちなみに日本語で、さくらんぼのことを、「桜桃(おうとう)」とも言います)。

さくらんぼという名前は、桜の実、という意味である「桜ん坊」からきていると考えられています。一方、英語のチェリーという呼び名の語源は、古期北フランス語であるようです。「cherry」には、さくらんぼの他に、「さくらの木」の意味や、米国の俗語では「初心者」「新品同様の車」という意味もあります。

では、cherryを使った英語の慣用句を紹介します。「the cherry on the cake(ザ チェリー オン ザ ケイク(ケーキ)」というイディオムで、直訳すると「ケーキの上のさんらんぼ」という意味になりますが、慣用句としては、「思いがけない幸運」とか「ものごとを完璧にする、最後のピース」というような意味があります。ケーキに何かのってるとすれば、それがさくらんぼであれば、完璧、ということなのでしょう。

もも(Peach)の語源や慣用句

ももの英語での呼び名は、peach(ピーチ)です。ピーチの語源は、「ペルシア(現在のイランを表す古名)」で、もともと桃はラテン語で「persicum malum(ペルシアのりんご)」と呼ばれていたことからきているようです。

peachには、ももの他に、「ももの木」「桃色の」という意味や、「素敵な人」という意味もあります。使い方としては単純に「You are a peach!(君は最高だね)」などです。peachを使った慣用句では、「peach and cream(ピーチアンドクリーム)」というものがあり、桃色の血色の良い顔色のことを意味します。

ぶどう(Grape)の語源や慣用句

ぶどうの英語での呼び名は、grape(グレイプ)です。グレイプには、ぶどうの他に「ぶどうの木」という意味もあります。また、「a bunch of grapes」で、ひと房のぶどう、という意味になります。語源は、古期フランス語からきているようです。

また、ぶどうはワインの原料であることから、ワインやお酒のこと自体をgrapeと言うこともあるようです。「grape」を使った慣用句にも、お酒という意味で使われている例がありますので紹介します。「in the grip of the grape」で「酔っぱらっている」という意味になります。「in the grip(イン ザ グリップ)」は「~の虜(とりこ)」という意味ですので、in the grip of the grape で、「酒の虜」、つまり酔っぱらっている状態を意味するのです。

パイナップル(Pineapple)の語源や慣用句

パイナップルは、カタカナ英語ですので、英語でも同様、pineapple(パイナップル)です。実際の発音は、カタカナで表すと「パイナッポー」が近いでしょう。

パイナップルの名前の由来は、pine+apple、つまりパイナップルの見た目が「松ぼっくり」に似ていて、りんごのように甘い香りがすることから、pine(松ぼっくり)とapple(りんご)をあわせて、pineappleとなった、というわけです。

pineappleを使った英語の慣用句では、「get the rough end of the pineapple」というものがあり、主にオーストラリアで用いられるフレーズで、「不当な扱いを受ける」という意味があります。