果物アレルギーと花粉症、症状が出やすい花粉と果物の組み合わせ

自然の恵みである果物は、大変美味しく、栄養もあり、私たちの食卓を豊かに彩ってくれるものです。しかし、時にはアレルギー症状を引き起こすこともあります。幼児から大人まで、幅広い年代で症状があらわれることがあるので注意が必要です。果物や野菜で起こるアレルギーは花粉症と関係があることが分かっています。

アレルギーとは

私たちの体には、体の外から入ってくる、自分にとって有害な異物の侵入を防いで体を守る働きがあります。この防御の役割をする免疫システムが、特定の食物やダニ、あるいは花粉など、本来であれば有害でないものに対しても過剰に反応することでアレルギー反応は引き起こされます。

増加したアレルギーとその原因

食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、アレルギーが関連する病気には様々なものがありますが、患者数は増加の一途をたどり、国民の三分の一は何かしらのアレルギー症状に悩まされているといわれます。子どもの花粉症や犬のアレルギー症状などの事例もあります。このようにアレルギーが増加した原因として、以下のものが考えられています。

・住居の気密性の高くなったことにより、カビやダニが繁殖しやすくなった

・ホルムアルデヒドなどのシックハウス症候群

・食生活の欧米化やエネルギーの摂り過ぎ

・戦後に植林され生長したスギ花粉の増加

・車の排出ガスなどの大気汚染

・衛生環境が改善されたことにより、乳幼児期に感染症にかかることが少なくなった

・食品添加物

・化学物質

・ストレス

・タバコ

アレルギー反応を起こしやすい体質はありますが、アレルギーを発症するかどうかは周囲の環境にも大きく影響されます。また、体質そのものも環境の影響を受けていることから、上記のような環境の変化がアレルギーの増加につながっているのではないかと考えられています。

果物で起こるアレルギーとは

特定の果物や野菜などを食べた直後から数分後に、くちびるや口の中がかゆくなる、くちびるが腫れる、喉がイガイガする感じがする、喉が痛むなどの、アレルギー症状を引き起こすことがあります。口腔粘膜を中心に起こるこのような症状を「口腔アレルギー症候群」といいます。果物や野菜で起こるアレルギーは、その多くは口のまわりの症状にとどまりますが、目や鼻にまで症状があわわれたり、命の危険もあるアナフィラキシーショックを起こした例もあるので、注意が必要です。

果物のアレルギーと他の食物アレルギーとの違い

果物や野菜などで起こることの多い口腔アレルギー症候群でも、それ以外の一般的な食物アレルギーでも、ある特定のものを食べるとアレルギーを発症するという点は同じです。しかし、果物や野菜で起こることの多いアレルギーでは、主に口や喉といった口のまわりに症状があらわれることが多く、全身に症状が出ることは少なくなっています。それに対して、一般的な食物アレルギーでは全身に症状があらわれます。これは、口腔アレルギー症候群を引き起こすことが多い果物や野菜に含まれるたんぱく質が、消化酵素に弱いためです。胃や小腸といった消化器で容易に分解されてしまうので、直接接触した口腔内でアレルギー反応が起こります。また、消化酵素以外に熱にも弱いため、例外はあるものの、加熱した果物や野菜では症状が出ないことも多くあります。これに対して、一般的な食物アレルギーの原因となる鶏卵・牛乳・小麦などは、熱や消化酵素に強いたんぱく質をもつので、分解されずに腸まで運ばれて吸収され、全身症状となってあらわれます。

果物のアレルギーと花粉症との関連

果物による口腔アレルギー症候群の症状がある人には、特定の花粉症の人が多いことが分かっています。これは、花粉と似たたんぱく質をもつ果物や野菜にも、花粉に対して作られた抗体が反応して、アレルギー症状を引き起こすためです。このようなものを「花粉ー食物アレルギー症候群」といいます。そのため、特定の花粉症の人は、花粉だけでなく、果物や野菜によって起こるアレルギーにも気を付ける必要があります。

花粉症と関連のある果物や野菜

花粉症の原因となっている花粉の種類によって、アレルギー症状を引き起こす可能性のある果物や野菜は異なります。

カバノキ科のシラカンバ・ハンノキ・オオバヤシャブシなどの花粉が原因の花粉症

バラ科(リンゴ・桃・サクランボ・西洋梨・アンズ・スモモ・アーモンド)

マタタビ科(キウイフルーツ)

ウルシ科(マンゴー)

マメ科(大豆・ピーナッツ)

カバノキ科(ヘーゼルナッツ)

ナス科(ジャガイモ)

セリ科(ニンジン・セロリ)

シシトウガラシ

などの果物や野菜でアレルギー症状を引き起こす可能性があります

イネ科の花粉

ウリ科(メロン・スイカ)

ミカン科(オレンジ)

マタタビ科(キウイフルーツ)

マメ科(ピーナッツ)

ナス科(トマト・ジャガイモ)など

ヒノキ科(スギ)の花粉

ナス科(トマト)など

キク科(ブタクサ)の花粉

バショウ科(バナナ)

ウリ科(メロン・スイカ・カンタロープ・キュウリ・ズッキーニ)など

キク科(ヨモギ)の花粉

ウルシ科(マンゴー)

セリ科(ニンジン・セロリ)

スパイスなど

ゴムのアレルギーと果物のアレルギーとの関連

ゴム手袋をつけるとかゆくなるなど、天然ゴムの樹液に含まれるラテックスという物質にアレルギーがある人は、ラテックスに含まれるたんぱく質と似たたんぱく質をもつ果物や野菜に対してもアレルギーを起こす場合があります。これを「ラテックスフルーツ症候群」といいます。天然ゴムは医療用手袋・炊事用手袋・血管や尿管などに入れるカテーテルと呼ばれる管・絆創膏・輪ゴム・ゴム風船など、様々なものに使われています。ラテックスアレルギー症候群の症状を引き起こす果物には、アボカド・キウイフルーツ・バナナ・栗などがあります。ラテックスフルーツ症候群は、外科医・歯科医・看護師など、ゴム製品を日常的によく使う人に多く、稀にゴム手袋を使用した外科手術を受けた人にも発症することがあります。二分脊椎症で生まれた人にも発症の可能性があります。

果物のアレルギーと関連のあるその他のもの

花粉症やラテックスフルーツ症候群の他にも、ぜんそく・アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患・即時型食物アレルギー・薬剤アレルギーのある人にも、果物のアレルギーが起こる場合があります。