果物の旬を楽しむ、9月が旬の果物「ブドウ」と「栗」

9月に市場に出回っている主な国産の果物を紹介します。特に9月に収穫量の多いブドウと栗の2種類の果物について、更に詳しく、その果物が持つ特性や産地と収穫量、歴史、選び方、保存方法、食べ方などをまとめます。

9月が旬の果物

皆さんは9月に市場に出回っている主な国産の果物をいくつ知っていますか。
以下にその果物と、旬といわれる市場に多く出回っている期間を示しました。

ブドウ:8~10月頃
イチジク:8~10月頃
梨:8~10月頃
栗:9~10月頃
りんご:10~翌年1月頃
柿:9~11月頃

尚、旬の時期は気候や環境の影響を受けやすく、その年によって前後することもあるため、あくまでも目安としてください。

9月が旬の果物、ブドウ

ブドウの特性

ブドウは、ブドウ科のつる性落葉低木です。
ブドウの品種は他の果物と比較して大変多く、世界中で1万種以上のブドウが存在するといわれます。
ブドウの果皮の色は大きく分けて「赤」、「黒」、「緑(白)」の3色です。未熟な果実の果皮はどれも緑色ですが、成熟の過程で色素が作られ赤色や黒色にも変化していきます。成熟しても緑色(白色)の果皮のブドウは色素が作られない種類のブドウです。

ブドウの主な産地と収穫量

平成29年産果樹生産出荷統計によると、山梨県がブドウの収穫量全国1位で43,200t、長野県が2位で25,900t、山形県が3位で16,700tとなっています。

ブドウの歴史

ブドウ栽培は、すでに紀元前から世界各地で行われていました。
日本において本格的にブドウが栽培されるようになったのは、明治時代に入ってからのことです。初めに、ブドウの祖先と言われる、乾燥に強いが病気や寒さに弱く、雨による裂果の多い「ヨーロッパブドウ」と、病気や寒さに強く、雨の多い地域でも栽培可能な「アメリカブドウ」が順に導入されました。日本で栽培されている品種の多くは、このヨーロッパブドウとアメリカブドウを交配して育成されてきました。

ブドウの品種

・巨峰
「石原早生」と「センテニアル」を交配した品種です。正式な品種名は「石原センテニアル」で、「巨峰」という名は商標名です。果皮は濃い紫黒色、果肉は淡い緑色です。甘味が強く、果汁も豊富です。日本で最も多く生産されているブドウです。

・デラウェア
粒は小さめですが、果汁が多く甘さも十分で、種がなく食べやすいです。1850年頃にアメリカで発見され、1855年頃にオハイオ州デラウェアで命名されました。日本には1872年頃に導入されました。

・ピオーネ
「巨峰」と「カノンホール・マスカット」を交配した品種です。果皮は濃黒色で、粒の大きさが13~20gと巨峰の一回り程度大きいです。甘味と酸味のバランスが良いです。

・マスカット・ベリーA
「ベリー」と「マスカット・ハンブルグ」を交配した品種です。果肉の糖度は20度程にもなります。他の品種と比較し、日持ちします。生食の他、赤ワインの原料にも利用されます。

・甲州
山梨県原産で古くから栽培されている品種です。果皮は淡い赤紫色で、果肉はやわらかく水分が豊富で、ほどよい甘酸っぱさです。貯蔵性にも優れていて、甲州ワインの原料にもなります。

・シャインマスカット
「安芸津21号」と「白南」を交配した品種です。2006年に品種登録された、比較的新しいブドウです。果皮は緑系の色で、粒は大きく、糖度が20度程と高く、酸味は少ないです。ほとんど種が入っておらず、皮が薄いため、皮ごと食べられます。

美味しいブドウの選び方

房の形が整っていて、ブドウの粒が取れていないもの、粒がつぶれていないものを選びましょう。
ぶどうの果皮表面に付着している白い粉は、果粉(ブルーム)と呼ばれています。花粉は果実を病気や乾燥から護るために、果実自身が分泌しているものです。この果粉が果皮に満遍なくきれいについているものは新鮮です。

ブドウの保存方法

ブドウは日持ちしないので、早めに食べましょう。保存しなければならない場合は、乾燥を防ぐため、ブドウを新聞紙などに包むかポリ袋に入れて冷蔵庫に保存しましょう

ブドウの食べ方

ぶどうは房の上部の糖度が高いため、房の下の方から食べ始めると、最後まで甘さを満喫できます。

9月が旬の果物、栗

栗の特性

栗はブナ科クリ属の木の一種です。果実を包む「いが」は「殻斗(かくと)」と呼ばれ、9~10月に果実が成熟すると自然と開裂します。
世界中で栽培されている栗は、「ニホングリ」、「チュウゴクグリ」、「ヨーロッパグリ」、「アメリカグリ」の4種類に大別できます。
日本で栽培されている栗はニホングリで、ほとんど全ての都道府県で栽培されています。ニホングリの果実は大粒で風味が良いです。しかし、甘味が少なく渋皮を剥くのが難しいです。他の3種類の栗は害虫や病気に弱く、日本での栽培に適していないため、日本では栽培されていません。

栗の主な産地と収穫量

平成29年産果樹生産出荷統計によると、茨城県が栗の収穫量全国1位で4,150t、熊本県が2位で2,880t、愛媛県が3位で1,840tとなっています。

栗の歴史

縄文時代の遺跡として有名な青森県の「三内丸山遺跡」から多くの栗が出土していることから、古くから栗の歴史が続いていることが分かります。
かつて各地域に様々な品種の栗が栽培されていましたが、1950年代に全国に広がったクリタマバチというハチによる害虫被害により、多くの品種が消滅してしまいました。それ以降の新植はクリタマバチ抵抗性の品種(丹沢、筑波、銀寄等)が中心となりました。

栗の品種

・筑波(つくば)
「岸根(がんね)」と「芳養玉(はやだま)」を交配させた品種です。日本において、最も収穫量の多い品種です。果実は粉質で、香り高く、貯蔵性に優れています。

・丹沢(たんざわ)
「乙宗(おとむね)」と「大正早生」を交配させた品種です。北海道と沖縄以外の全国で栽培されています。果実は粉質で、甘味と香りは控えめです。

・銀寄(ぎんよせ)
大阪府豊能郡能勢町(豊能郡歌垣村倉垣)原産の品種です。果実は粉質で甘味が多く風味も豊かです。しかし、貯蔵性はあまり良くないため加工用には不向きです。

・石鎚(いしづち)
「岸根」と「笠原早生」を交配させた品種です。果実は粉質で、甘味があり、香り高いです。日持ちが良く、煮くずれしにくいので、加工用原料としても適しています。

美味しい栗の選び方

全体的に茶褐色で表面に光沢があるものを選びましょう。傷や変色、カビ、虫食い穴がないかチェックしましょう。

栗の保存方法

一見、硬い果皮に包まれている栗は長期間保存できそうですが、実はあまり日持ちしません。時間が経つと味が落ちてしまうので、購入したら早めに食べましょう。保存しなければならない場合、乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れて冷蔵庫に入れましょう。
また、多少風味は落ちますが、冷凍すれば数ヶ月間保存できます。冷凍する場合、栗をよく洗い、キッチンペーパーなどで水気をよく切り、食品保存用の袋に入れて冷凍庫に保存します。食べるときは凍ったまま、お湯で茹でてください。

栗の食べ方

栗は、煮ても焼いても蒸しても、美味しく食べられます。生の栗の鬼皮(最も外側の硬い皮)は、1晩水につけると剥きやすくなります。渋皮は、ミョウバンを少々入れた水に1晩浸けると剥きやすくなります。