果物の旬を楽しむ、8月が旬の果物「イチジク」と「桃」

8月に市場に出回っている主な国産の果物を紹介します。特に8月に収穫量の多いイチジクと桃の2種類の果物について、更に詳しく、その果物が持つ特性や産地と収穫量、歴史、選び方、保存方法、食べ方などをまとめます。

8月が旬の果物

皆さんは8月に市場に出回っている主な国産の果物をいくつ知っていますか。
以下にその果物と、旬といわれる市場に多く出回っている期間を示しました。

スイカ:6~8月頃
スモモ6~8月頃
桃:7~8月頃
ブドウ:8~10月頃
イチジク:8~10月頃
梨:8~10月頃

尚、旬の時期は気候や環境の影響を受けやすく、その年によって前後することもあるため、あくまでも目安としてください。

8月が旬の果物、イチジク

イチジクの特性

イチジクはクワ科イチジク属の落葉高木です。「隠頭花序(いんとうかじょ)」という、実の中に小さな花をつける特徴的な花のつけ方をするため、外側からは花を確認することができません。食用となる赤いつぶつぶしたものの集合体は果肉ではなく花なのです。この花がイチジク特有の食感を生み出しています。
イチジクは「フィシン」という特有のタンパク質分解酵素を含み、生のイチジクを食事と一緒に摂取することで消化が促進されます。
イチジクの栽培は比較的に容易で、家庭栽培にも向いています。

イチジクの主な産地と収穫量

平成28年産特産果樹生産動態等調査によると、愛知県がイチジクの収穫量全国1位で2,623t、和歌山県が2位で2,298t、山形県が3位で1,635tとなっています。

イチジクの歴史

イチジクはアラビア半島が原産です。エジプト、ギリシアなどでは紀元前から栽培されていたと言われています。イチジクが日本に伝わったのは江戸時代です。ペルシャから中国、日本へと伝えられ、導入された当初は生食用ではなく、薬樹として栽培されました。
イチジクは漢字で「無花果」と表記しますが、これは花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来します。かつて日本では、「南蛮柿(なんばんがき)」「唐柿(とうがき)」などとも呼ばれていました。

イチジクの品種

・桝井ドーフィン(ますいどーふぃん)

国内で販売されるいちじくの約8割がこの品種です。1909年に広島県の桝井氏がアメリカから日本に持ち帰りました。栽培しやすく、果実の日持ちも良いため、全国に広がりました。熟した果実の果皮は赤褐色で、果肉が白色、果肉の内側の中心部が淡い赤色です。程よい甘さがあります。

・蓬莱柿(ほうらいし)

中国から伝わったとされる品種で、「日本いちじく」とも呼ばれます。お尻の部分が割れやすく日持ちしないため、流通している地域は限られています。適度な甘味とほのかな酸味があります。

・とよみつひめ

福岡県で育成された品種です。2006年に品種登録されました。果皮は赤紫色です。甘味が強く、糖度が16~17度にもなります。

・ビオレ・ソリエス

フランス原産のイチジクです。佐渡や一部の地域でハウス栽培されていますが、一般にはほとんど流通していません。果皮は深紫色で、糖度が20度以上にもなるのが特徴です。

美味しいイチジクの選び方

果皮に張りがあり、イチジク特有の甘い香りがする果実を選びましょう。お尻が割れかけているのは完熟している証です。

イチジクの保存方法

乾燥してしまうため、袋に入れて冷蔵庫に保存しましょう

イチジクの食べ方

果皮は、バナナのように上から下へ縦方向に剥くと食べやすいです。ジャム用などの硬めの果実は、さっと熱湯に潜らせた後、冷水に付けると剥きやすいです。
生食の他に、コンポートやジャムにしても美味しいです。

8月が旬の果物、桃

桃の特性

桃は中国原産のバラ科モモ属の落葉性小高木です。
春になると五弁もしくは多重弁の花を咲かせ、夏になると球形の果実をつけます。
食用としても、観賞用としても世界各地で栽培されている桃ですが、日本では主に食用として栽培されています。日本の桃は糖度が高く、水分が多く、そして滑らかな食感で、世界的に評価されています。
未熟な果実や種子に含まれるアミグダリンという青酸配糖体は人体に有害なため、摂取しないようにしましょう。

桃の主な産地と収穫量

平成29年産果樹生産出荷統計によると、山梨県が桃の収穫量全国1位で39,200t、福島県が2位で28,600t、長野県が3位で14,500tとなっています。

桃の歴史

桃が中国から日本に伝えられたのは弥生時代といわれています。大正時代には国や県の果樹試験場を中心として多くの優良品種が育成され、日本独特の白肉で糖度の高いの品種群が育成されました。

桃の品種

・白鳳
「白桃」と「橘早生」を交配させた品種です。神奈川県で育成されました。果肉は白く滑らかで、酸味は少なく多汁です。日本での生産量が「あかつき」に次いで2位の品種です。

・あかつき
「白桃」と「白鳳」を交配させた品種です。糖度が高く、口当たりはなめらかで、しっかりとした歯ごたえもあります。日本で最も生産されている品種です。

・川中島白桃
長野市川中島町で誕生した品種です。糖度が高く、やや硬く、歯ごたえがあり、日持ちが良いのが特徴です。

・日川白鳳
果汁が多くてほどよい甘味があります。程よい硬さで滑らかな果肉です。山梨県で「白鳳」の枝変わりとして発見されました。

美味しい桃の選び方

持ち上げたときに重量感があり、左右対称のきれいな丸みのものを選んでください。
必ずしもそうであるとは限りませんが、果皮に白い斑点のあるものは糖度が高い傾向にあると言われています。軸周辺の果皮が緑色のものは未熟なため、追熟させる必要があります。

桃の保存方法

硬い未熟な桃は、乾燥を防ぐために新聞紙に包むか、ポリ袋などに入れ、常温で風通しのよい場所で追熟させます。熟した桃はすぐに傷んでしまうため、早めに食べきりましょう。

桃の食べ方

食べる1時間程前に冷蔵庫へ入れて冷やすと甘さが増します。逆に冷やしすぎてしまうと味が落ちるため、冷やしすぎに注意してください。
桃をカットして食べる場合、包丁などで溝に沿って桃の円周に一周切込みを入れ、半分に別れた果肉をそれぞれ右手と左手で軽く掴み、反対方向にねじります。片方の果肉に付いてくる種をえぐり取ります。果皮を剥く場合、包丁を枝の方の果皮に当て、果頂部に向けて引くように降ろします。トマトのように、果皮を湯むきすることも可能です。桃は枝の方に比べ、果頂部(お尻)の方の糖度が高い傾向にあります。縦にくし形に切りにすることで、この甘い部分を均等に分けることができます。