果物の旬を楽しむ、5月が旬の果物「河内晩柑」と「ビワ」

5月に市場に出回っている主な国産の果物とその旬の時期を紹介します。特に5月に収穫量の多い河内晩柑(かわちばんかん)とビワの2種類の果物について、更に詳しく、その果物が持つ特性や産地、歴史、選び方、保存方法、食べ方などをまとめます。

5月が旬の果物

皆さんは5月に市場に出回っている主な国産果物をいくつ知っていますか。
以下にその果物と、旬といわれる市場に多く出回っている期間を示しました。

ネーブルオレンジ:1~5月頃
清見(きよみ):3~5月頃
いちご:12~翌5月頃
河内晩柑:3~6月頃
セミノール:4~5月頃
びわ:4~6月頃
夏みかん:5~7月頃

尚、旬の時期は気候や環境の影響を受けやすく、その年によって前後することもあるため、あくまでも目安としてください。

5月が旬の果物、河内晩柑

河内晩柑(かわちばんかん)の特性

河内晩柑は、5月に開花して実をつけ、翌年の9月頃まで樹上に実をつけている晩生(生育期間が長い、普通より遅く成長する)の柑橘で、ザボン(文旦:ぶんたん)の一品種です。
見た目がグレープフルーツに似ているため、和製グレープフルーツと言われることもありますが、グレープフルーツのような苦味は少なく、さっぱりとした甘みがあります。
河内晩柑は寒さに弱く、気温が低いと実が落下してしまいます。そのため、河内晩柑をおいしく食べられる春先以降まで樹にならせておくことができるのは、一年を通じて気温が下がりにくく、霜の降りにくい場所です。
一般的に河内晩柑は糖度の高い3~5月にかけて収穫され、低温貯蔵で減酸された後、4月以降に販売されます。実をつけたまま開花すると、樹に負担がかかり翌年の実をつけないことや、樹が枯れてしまうことがあります。

河内晩柑の主な産地と収穫量

平成28年(2016年)産特産果樹生産動態等調査によると、愛媛県が河内晩柑の収穫量全国1位で6,823t、熊本県が2位で3,240t、高知県が3位で329tとなっています。

河内晩柑の歴史

河内晩柑は、1905年頃に熊本県河内町で発見された文旦の偶発実生です。
発見された場所の名前である「河内」と、晩生の柑橘であることからこの品種名になりました。河内晩柑は栽培されている県や出荷する農協、生産者によって、愛南ゴールド、天草晩柑、宇和ゴールド、ジューシーオレンジ、ジューシーフルーツ、夏文旦、灘オレンジ、ハーブ柑、美生柑などとも呼ばれています。

美味しい河内晩柑の選び方

まず、果皮に張りがあり艶があるものを選びましょう。手に取り、ずっしりと重みがあるものは水分を多く含み、ジューシーです。

河内晩柑の保存方法

冷暗所に保存します。剥き出しのままだと乾燥してしまうため、ポリ袋に入れた状態で冷蔵庫に入れます。

河内晩柑の食べ方

河内晩柑の果皮は厚く、一見、手では剥きにくそうですが、果皮と果肉の間の白いふかふかした部分は柔らかく、手で容易に剥くことができます。果皮を剥いたら丁寧に房を分けて、種を取って食べます。
果肉を覆う薄皮(じょうのう膜)には、苦み成分であり抗アレルギー作用などを有する「ナリンギン」が含まれているため、その摂取は私たちの体にメリットとなりえます。その一方で、高血圧薬や不眠症治療薬、免疫抑制剤、高脂血症治療薬などの薬の一部との飲み合わせが悪いため、それらの薬を摂取している人は薄皮の摂取を避けてください。薄皮も手で剥くことができます。

5月が旬の果物、ビワ

ビワの特性

ビワは中国が原産のバラ科の常緑高木です。日本では九州地方、四国地方、和歌山県、千葉県(房総半島)で栽培されています。果実が琵琶に似た形をしているため、この名で呼ばれるようになりました。果実はオレンジ色で柔らかく、食用のものは40~80g程度の大きさの品種が一般的です。
未熟なビワの実や種子には、体内で分解されると猛毒の青酸となる高濃度のシアン化合物が含まれる場合があります。そのため、決して未熟なビワを食べてはいけません。健康食品を謳って販売されているビワの種子の粉末などの摂取にも注意が必要です。

ビワの主な産地と収穫量

平成29年(2017年)産果樹生産出荷統計によると、長崎県がビワの収穫量全国1位で1,050t、千葉県が2位で534t、香川県が3位で287tとなっています。

ビワの歴史

19世紀以前に日本で栽培されていたビワは、野生種の自然交雑により生まれた品種と考えられています。6世紀に記された中国の著書に、白肉種と黄肉種の2つのビワの品種の存在が記載されています。また、日本においては762年に記された正倉院の書物にビワが登場しており、これが日本におけるビワに関して記載されている最古の文献と言われています。
江戸時代末期に中国から大玉の「唐ビワ」が長崎県へと導入されると、日本でのビワ栽培が盛んになりました。

ビワの品種

・(もぎ)
西日本におけるビワの代表です。1果40~50g程度と小ぶりですが、甘味はやや強く、酸味は少ないです。長崎県や鹿児島県、香川県などが主産地です。

・田中(たなか)
1果60~80g程度で、茂木と比較し大きめです。甘味は強く、酸味も程よくありバランスの良い品種です。愛媛県や千葉県、香川県や兵庫県などが主産地です。

・長崎早生(ながさきわせ)
「茂木」と「本田早生」を交配させた品種です。1果40~60g程度で甘みはやや強く、みずみずしく上品な味です。寒さに弱いためハウス栽培されることが多いです。長崎早生、長崎県や鹿児島県が主産地です。

・大房(おおぶさ/たいぶさ)
「田中」と「楠」を交配させた品種です。1果100g程度と他の品種と比較し大きいです。寒さに強いです。甘味は程よく酸味は少ないです。千葉県が主産地です。

・希房(きぼう)
「田中」と「長崎早生」を交配させた品種です。千葉県暖地園芸試験場(現千葉県農業総合研究センター暖地園芸研究所、館山市)にて育成された世界初の種子なしビワです。甘さも酸味も控えめですが、水分が多めです。2006年に品種登録されており、他の品種と比較し新しい品種です。希少性が高く値段が高めです。

・なつたより
「長崎早生」と「福原早生」を交配させた品種です。1果60g程度の大きさです。甘味は強く、酸味は少ないです。水分が多めで、上品な風味です。2009年に品種登録されており、他の品種と比較し新しい品種です。

美味しいビワの選び方

果皮が濃いオレンジ色(白ビワは熟しても薄色)で果皮に張りがあり、うぶ毛が密生しているもの、左右対称のふっくらとした形のものを選びましょう。

ビワの保存方法

直射日光を避け、風通しがよく涼しい場所で保存してください。ビワは冷やしすぎると風味が落ちます。
ビワは長期間の保存ができないため、購入したらできるだけ早めに食べましょう。また、傷みやすいので果肉を強く押さないでください。

ビワの食べ方

へタを持ち、下(へそ)のほうから手で皮を剥きます。冷やして食べたい場合は、食べる2時間くらい前に冷蔵庫に入れましょう。