果物の旬を楽しむ、12月が旬の果物「みかん」と「ゆず」

12月に市場に出回っている主な国産の果物を紹介します。特に月に収穫量の多いみかんとゆずの2種類の果物について、更に詳しく、その果物が持つ特性や産地と収穫量、歴史、選び方、保存方法、食べ方などをまとめます。

12月が旬の果物

皆さんは12月に市場に出回っている主な国産の果物をいくつ知っていますか。
以下にその果物と、旬といわれる市場に多く出回っている期間を示しました。

りんご:10~翌年1月頃
みかん:10~翌年2月頃
ゆず:11~12月頃
だいだい:11~12月頃
いちご:12~翌年5月頃

尚、旬の時期は気候や環境の影響を受けやすく、その年によって前後することもあるため、あくまでも目安としてください。

12月が旬の果物、みかん

みかんの特性

単に「みかん」というと、通常は「温州みかん」を意味しますが、広義ではミカン科に属する植物や柑橘類全般を指します。ここでは「温州みかん」について説明します。
温州みかんは、ミカン科の常緑低木です。温州みかんは温暖な気候を好み、和歌山県や愛媛県など温暖な地域で栽培されていますが、実は柑橘類としては比較的寒さに強いです。受精が行われず、子房壁や花床が肥大して果実となる単為結果(たんいけっか)という性質を持つため、受粉がない状態でも果実をつけます。単為結果性の果実は基本的には無核、つまり種無しとなります。
みかんの生産地として有名な中国の浙江省南部にある「温州」という地名にちなみ「温州みかん」と命名されましたが、中国原産ではなく日本原産であることが推定されています。

みかんの主な産地と収穫量

平成29年産果樹生産出荷統計によると、和歌山県がみかんの収穫量全国1位で144,200t、愛媛県が2位で120,300t、熊本県が3位で85,700tとなっています。

みかんの歴史

温州みかんは江戸時代初期に鹿児島で、当時中国から伝わったみかんの仲間から偶然に発生したと言われています。
実は、最初に日本に広まったみかんは温州みかんではなく「小みかん(紀州みかん)」です。中国から日本に伝わった小みかんが15~16世紀ごろ紀州有田(和歌山県有田市)に移植され発展しました。一方で温州みかんは、元々、種がないため「子種を断つ」として嫌われていました。しかし、江戸後期になると味が良く種がなくて食べやすい果実であることから、次第に好んで食べられるようになり、みかんと言えば一般的に温州みかんを指すようになっていきました。

みかんの品種

温州みかんは収穫時期によって、「極早生(ごくわせ)温州」、「早生(わせ)温州」、「中生(なかて)普通温州」、「晩生(おくて)温州」に大別できます。それぞれのみかんが市場に出回るのは、極早生が9月~10月位、早生が10月下旬~12月前半位、普通が11月下旬~12月下旬位、晩生が12月下旬~3月位となります。
また、一部の地域では、ビニ-ルハウスを利用してみかんが栽培されています。これらの温室栽培されるみかんは「ハウスみかん」と呼ばれ、5~9月頃に市場に出回ります。栽培に手間がかかるため高価ですが、甘味が強くて食べやすいです。
以下に温州みかんの主な特徴と品種を示しました。

・極早生温州
果皮に青みが残っています。酸味がやや強めです。おもな品種は「日南1号」、「上野早生」、「宮本早生」、「岩崎早生」、「豊福早生」、「崎久保早生」、「大浦早生」、「高林早生」、「山川早生」などです。

・早生温州
ほどよい甘さと酸味が特徴的です。主な品種は「宮川早生」、「興津早生」、「山下紅早生」、「小原紅早生」などです。

・中生普通温州
酸味が弱く、甘味が強いのが特徴です。果肉を包むじょうのう膜は早生種に比べると少し厚いです。主な品種に「南柑20号」、「大津4号」、「向山温州」、「林温州」、「南柑4号」、「藤中温州」などがあります。

・晩生温州
基本的に、甘味を強めるために1か月ほど貯蔵してから出荷されます。じょうのう膜が厚めですが、ほどよい酸味と甘さがあります。主な品種に「青島温州(あおしま)」、「十万温州」、「寿太郎温州」などがあります。

美味しいみかんの選び方

果皮全体がきれいに橙色に染まっており滑らかで、中玉のサイズのものを選びましょう。極端に大きいものは糖度、酸度ともに低い傾向にあります。

みかんの保存方法

風通しが良く、涼しくて通気性のある場所で保存してください。みかんを箱で購入した場合、腐ったみかんが混入していないか確認してください。もしあれば取り除き、ふたを開けたまま保存します。保存可能な期間は、11月頃のみかんの場合、7~10日、12月頃のみかんの場合、2週間位を目安としてください。

みかんの食べ方

みかんの白いスジや果肉を包む袋は食物繊維が豊富ですので、皮を剥いたら、白いスジを取らずに袋ごと食べると良いです。

12月が旬の果物、ゆず

ゆずの特性

ゆずはミカン科ミカン属の常緑小高木で柑橘類の1種です。果皮の表面はでこぼこしており、果実には種子が多く付いています。酸味が強く、香りもあります。
ゆずは耐寒性があり病気にも強く、他の柑橘類に比べ容易に栽培できますが、成長が遅く、種子から育てる実生栽培の場合、結実までに十数年かかります。

ゆずの主な産地と収穫量

平成28年産特産果樹生産動態等調査によると、高知県がゆずの収穫量全国1位で14,051t、徳島県が2位で3,601t、愛媛県が3位で2,967tとなっています。

ゆずの歴史

ゆずは奈良時代に中国から朝鮮を経て日本に渡来したといわれています。独特な香りを持つゆずは、古くから薬や調味料として利用されてきました。かつては屋敷の周りや畑のあぜに植えられ、自家消費されていました。

ゆずの品種

日本で栽培されている主な品種は、酸味が強い「木頭系」の品種や木本系よりも果実の実りが早い「山根系」の品種、小玉ながら種無しで果汁の多い「多々錦」などです。

美味しいゆずの選び方

果皮は鮮やかな黄色で張りがあり硬く、持ったときに重みのあるものを選んでください。

ゆずの保存方法

乾燥を防ぐため食品保存用のポリ袋などに入れ、冷暗所もしくは冷蔵庫で保存しましょう。

ゆずの食べ方

ゆずは酸味が強いため、他の果物のように生食するのには不向きです。ゆずの独特の香りと風味を楽しむため、削ったり細切りにした果皮を料理のアクセントに利用したり、果汁をしぼって酢やレモン汁の代わりに利用したり、薄くスライスして蜂蜜漬けにすると良いです。